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2016年9月30日
有機いちじくの生産地トルコ訪問~次世代へ繋ぐオーガニック~
生産者を支えるビジネスモデル イシック(ISIK)社のいま
トルコのイシック社を訪問してきました。イシック社は、有機干しいちじく、有機干しあんずなど、ノヴァの主力商品を長年取引している生産者で、ノヴァとのつきあいは16年になります。以前ご紹介したように、イシック社は最新鋭の施設と設備が整った工場を持ち、世界有数の有機ドライフルーツ会社に成長しつつある大きな企業です。数千人規模の従業員が働く広く清潔な工場では、以前と変わらず品質管理に対しての意識の高さが感じられました。「有機」であることを理由にせず、選別技術や異物除去レベルの向上を常に志すその姿勢は、異物除去の設備に毎年、2億円を投資するということからもうなづけます。
イシック社のあるイズミールはいちじくの一大生産地。イシック社の周辺には、訪れるたびにいちじくの生産者が増えていると感じます。それはイシック社の、”生産者を支える”という企業理念に関係があるようです。イシック社は、作柄の良し悪しにかかわらず、農産物を正規の価格で買い上げるべきという企業方針があります。不作の分を豊作の年に取り戻すのはもちろんですが、形の悪いものや甘みの少ない実にも需要(取引先)を確保しており、ビジネスとして成立させるための優れたノウハウを持っています。イシック社の”生産者を支える”意識は「ハッピービレッジプロジェクト」という取り組みに集約され、地域全体で生産者を経済的にも精神的にも支え合う仕組み作りが長きにわたって行われています。それは結果的に、地域に誠実な生産者を増やすという好循環に結びついているのです。
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いちじくの恵みとともに 次世代へ引き継がれるオーガニック
どんな農産物のどんな生産者にも、世代交代はつきもの。イシック社も例外ではなく、こちらでは近年、若い力が主軸となり、会社を盛り上げているようです。
イシック社を支えるスタッフの一人、ジャンさんは弊社代表ブッシュと同世代。16年来の友人でもあります。ジャンさんとブッシュにはかつて、スワットさんという恩師のような先輩がいました。スワットさんは先見の明を持ち、ビジネスを誠実に行うことの大切さを教えてくれた人。またその人柄から、スタッフたちにも大変慕われていた人でした。そのスワットさんが数年前に亡くなった時、ジャンさんとブッシュ、そして皆が大きなショックを受けました。しかしそこで、「今度は自分たちが」スワットさんのようにやってみよう、スワットさんのようになろう、と決意を新たにし、現在、スワットさんから学んだ経験と若い世代ならではの新しい視点で良質のオーガニックドライフルーツ、ナッツづくりに取り組んでいます。イシック社の工場や地域の生産者との関係など、その充実した様子から、彼のポリシーはしっかりとイシック社のスタッフたちに引き継がれていると感じました。
自然の恵みと企業と地域の繋がり、そして人。受け継がれる想い。イシックの優れたビジネスモデルを再認識し、これからもともに歩んでいくことが楽しみになるトルコの旅でした。
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