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LOCAL REPORT

現地で活躍する生産者

[スリランカ編]
SLI LANKA | REPORT 01
2013.02.26

ココナッツ加工工場訪問

ココナッツは何重にも層が重なっているので、まずは外層部分(繊維質)を剥ぎ、特殊なカマのような道具を使って一つひとつ殻を割り、中身を取り出していきます。その後、ピーラーのような道具で薄皮を取り除きます。スリランカでは当たり前のように見られる、職人技が光る風景です。

殻の部分をむいた状態で工場に運び込まれ、加工作業がはじまります。作業場では男性と女性で分担が分かれており、カンカンと皮むきの音が鳴り響く中、すごい早さで作業が行われていました。
男性が殻を剥き、女性が薄皮を剥いでいきます。真っ白になったココナッツは専用のプールに投げ入れられます。ココナッツの殻は、かまどで焼いて炭にしボイラーの燃料に使われています。
環境に配慮するために一日に何トンも出るココナッツ水を微生物で処理する施設が完備されています。処理された水は、自然に返され鳥たちなどの飲料水にもなっています。
SLI LANKA | REPORT 02
2013.03.03

カシューナッツ加工工場訪問

ノヴァのカシューナッツ加工を行う、スリランカ・マホ村のLanka Organicsの工場を訪問しました。
当初、マホ村ではカシューナッツの栽培のみが行われていましたが、Lanka Organicsのラージさんが、加工も一環して行える工場の建設を決断。きっかけはノヴァの初代社長であるピエール・ブッシュとの出会いだったそうです。ラージさんは今でもピエール氏を恩師だと言い、写真を飾っていただいています。

カシューナッツの殻を割って取り出した状態から、女性の従業員さん達の手で一つ一つナイフを使って薄皮を削っていきます。
どの製品も製造工程図を基にきちんとした管理がされています。選別状態や品質についても、お互いに話し合いながら向上に努めていきます。
選別されたカシューナッツの中でも、ノヴァは一番大きな粒を限定して仕入れています。
SLI LANKA | REPORT 03
2013.08.15

フェアトレード茶園の子供たち

グリーンフィールドのオーガニック茶園では、フェアトレードプログラムに加入しているため、紅茶の売り上げにより一定のプレミアム(奨励金)が茶園に支払われ、人々の生活向上に役立てられています。
2012年、フェアトレードプレミアムで建てられた集会所や保育園、子供たちの放課後補習クラスを訪れることができました。

フェアトレードは、ノヴァが大切にしている精神であり、お客様にお届けするオーガニック紅茶の売り上げの一部が実際このように役立っています。この訪問以来、茶園の子供たちにささやかではありますが、成長の一助になればと、シンプルな文具のギフトを贈らせていただいています。

2階の1室は、子供たちの放課後の学習教室があり、フェアトレードのプレミアム(奨励金)で運営されています。この日は算数と英語の勉強。はにかみながらノートを見せてくれました。
フェアトレードのプレミアム(奨励金)で建てられた集会所は、茶園の人たちの暮らしの向上に役立てられています。壁には、これまで集会所で行った文化行事や結婚式など、さまざまな行事が写真とともに紹介されていました。
集会所の中にある宴会場では沢山の人を収容でき、テーブルや椅子、きれいな食器も揃っています。また結婚式の道具や新郎新婦が身につけるアクセサリーなどもレンタルすることができます。
フェアトレードのプレミアム(奨励金)で建てられた保育所もあり、母親たちも安心して茶園の仕事ができます。壁面にはかわいくペイントされ、園庭に遊具を購入する予定だそうです。
保育所の子供達は、歌の時間や工作の時間など目をキラキラさせながらとても楽しそうな時間を過ごしていました。
保育所の先生方は、指定の幼児教育の講習を受け、資格を持っている方達だそうです。また、栄養価の高い幼児食やミルクが常備されており、子供を預けるお母さんたちも安心です。
SLI LANKA | REPORT 04
2014.02.16

茶摘みの女性たち

グリーンフィールド社

スリランカのウバ州(Uva Province)は良質の紅茶の生産地として有名。ノヴァの紅茶の産地の一つであるグリーンフィールド社のソトゥラガラ・フェアトレード茶園は、まさにこのウバ州にあります。

茶園は山の上の高地にあり、くねくねと曲がった道路を車でのぼっていきます。夏でも冷涼な気候で紅茶栽培には適しています。とにかく、美しく癒されるような環境です。

この茶園はオーガニックの認証を受けており、さらにフェアトレード認証も受けています。一般的な茶園の労働者は、不当な低賃金で貧しい暮らしを強いられている場合もめずらしくありません。なので、この茶園で働く人たちは、農薬で健康を害する心配がないだけでなく、労働に見合った正当な収入も保証されています。また、フェアトレードのプレミアム(奨励金)を有効活用し、保育園やカルチャーホールの建設、放課後補習クラスの開設など、地域全体が健全で豊かになっていけるような仕組み作りが組織的に行われています。

茶園では、朝早くから茶摘みが行われていました。お茶を摘む作業は女性の仕事のようです。斜面に続く美しい茶園の緑の中に、点々と茶摘みをする女性たちの姿が見えます。耳を澄ますと、風に乗って女性たちの笑い声がかすかに聞こえてきました。オーガニック・フェアトレードの茶園で働く女性たちは、いったいどんな表情で仕事をしているのでしょう。

茶摘みの様子を見に茶園に近づいてみると、最初に目に入ったのが、笑顔の可愛いこちらの若い女性でした。
22歳の彼女は、ここで働き始めてまだ半年だそうです。茶園の仕事が好きで満足していると片言の英語で嬉しそうに答えてくれました。他の女性たちも皆さん表情が穏やかで、身振り手振りの私たちに可笑しながら反応してくださいました。また、働きやすい環境のおかげで、家庭を持って子育てしながら働いている女性も多いようです。

茶摘みは、袋についているひもを頭にかけて、背中の袋に向けて摘んだ茶葉を手際良くどんどん放り込んでいきます。
茶摘みを監督されている男性の方にお話を伺いました。彼の仕事は安全管理のもと彼女たちに摘み方を指導し、怪我した時のケアも監督の仕事です。時には人間関係がうまく行くように気を配っているのだそうです。
仕事中のけがの治療費はすべて会社が負担するので、福利厚生もしっかりしています。

休憩は昼休みを含め1日4回あります。大体の方は、お昼ご飯は家に戻って食べるそうで、子供を保育所に預けている方は、立ち寄ってピックアップし、家で昼食を済ませてからまた保育所に預けます。その点、母親にとってはとても良い環境だと思います。

私たちを案内してくれたサムさんが、女性達が摘んでいるお茶の新芽を手に取って説明してくれました。この部分が加工され、美味しい有機紅茶になります。

ちなみに、一番先端の新芽はシルバーティップ、もしくはゴールデンティップと呼ばれ、生えたばかりの新芽は産毛に包まれて銀色に光ることからその名で呼ばれています。これを加工した紅茶は最高級品とされ、市場ではほとんど出回りません。一般的な紅茶と違って色は濃くなく、金色の様な黄みがかった感じで柔らかいやさしい味わいです。

お茶の花は、白く椿の花を小さくしたような可愛い花です。葉っぱも椿によく似ています。
日本人に馴染みのあるお茶の木。スリランカの美しい茶園で働く女性たちが摘み取った茶葉は紅茶に加工され、日本の私たちのもとへも届きます。紅茶をより身近に温かく感じられるようになりそうです。

SLI LANKA | REPORT 05
2014.02.21

自然環境に寄り添う堆肥づくり

有機堆肥プロジェクト社

朝霧が立ち込める中、見せていただいた堆肥場の入り口に看板を見つけました。岩に『有機堆肥プロジェクト』と書かれた看板の下に「 私たちは自然と共存しています。未来のために自然環境を守り環境を大切にします。」と緑のペンキで手書きされていました。

オーガニック茶園の栽培管理方法は、生産地を訪問するときに必ず見せていただきます。毎年オーガニック認証の監査をクリアしているので安心ですが、やはりこの目で確かめ生産者の話を聞くことを大切にしています。

この茶園の取り組みの一つが、コンポスト(堆肥)づくりです。有機堆肥の作り方は、基本は共通していますが、やはりその土地や生産物によってやり方や使っている原料は様々です。

期間によって堆肥の山を分け、段階的にコンポストを熟成させていきます。積んだ日付、切り返し日(TURN)など、黄色いプレートに表示されています。

訪問時は、コンポストの切り返しの作業中でした。堆肥の山の内層を表面に出すようにかき回す事で、全体に酸素を行き渡らせ発酵を促進させるのです。また、堆肥の温度の熱によって発酵菌以外の雑菌が死滅し、安全な完熟堆肥を作ることができます。この土地から出た植物残渣を使い、牛糞は、以前フェアトレードの奨励金で購入し生産者の牛の糞を提供してもらっているのだと話してくださいました。

その土地の環境から出たものを外部に運んで廃棄して環境を汚すのではなく、うまく循環させて自然に戻す。オーガニックの基本理念でもあります。
ここで完熟した堆肥は茶園の土に施され、循環型の農業が実践されています。堆肥作りの記録もきちんとノートに整理され、ノートを見れば堆肥の原料や採取した場所もさかのぼって確認することができます。

堆肥プロジェクトのオフィスです。簡単な小屋ですが、手作り感があり、楽しみながら仕事をされている印象でした。

それ以外にも、タンクに液肥が作られているのを見せていただきました。材料は、植物残渣などの有機物を発酵させて作ります。主に追肥として使われるものです。より環境や人にやさしい方法、美味しい紅茶を作る方法を追及して、いろいろな取り組みにチャレンジし続けているのだそうです。

SLI LANKA | REPORT 06
2014.06.26

目から鱗。森林と農業生産の共存

ランカ・オーガニック

ノヴァが扱っているココナッツやカシューナッツを栽培しているスリランカのランカ・オーガニック。現地を訪れると、そこには目から鱗の栽培風景が広がっています。ランカ・オーガニックは、1992年から森林農法(アグロフォレストリー)と呼ばれる農業形態「フォレスト・ガーデン・プロジェクト」を始めています。

森に存在する木々や草花と作物の苗をバランスよく植栽することにより、森に近い環境を作りながら、同時に作物も栽培できる「森林の自然植生をできるだけ生かしたまま、そこに多様な作物を植えて栽培する農法」です。自然と人間の「共存共栄」の方法とも言えるかもしれません。
一般的な農法のように、単一の作物を栽培するために自然林を開墾し続けることは、生態系を崩してしまう危険性をはらんでいます。その点、この森林農法では、生物多様性を維持して、将来の世代に豊かな自然を残すことができるのです。化学肥料や化学農薬を使わないというだけでなく、単なるオーガニックを超えたすばらしい環境に感動せずにはいられません。

プロジェクトが展開されている地域の一つ、マホ村を案内してくださったラジさんによると、開始当時は、産業もなく、道路も通っていない非常に貧しい地域だったそうです。貧しい地域の生活の向上が期待できることもプロジェクト地域を選定する際の大切な要素でした。現在では200数十名の生産者がマホ村でのフォレスト・ガーデン・プロジェクトに参加しています。今では、フォレスト・ガーデン生産者のグループの中で最初に訪問したマホ村は、生産量・売上が一番多く、成功例として目標的存在になっています。

ラジさんたちに案内されて到着したのは、山吹色の平屋のお宅が佇む土地。緑に覆われ、裏庭のほうに進んでいくと、ナタを持った農作業中の生産者の方がいらっしゃいました。ココナッツ、カシューナッツ、パパイヤ、胡椒、ナツメグなど、裏庭にはバランスよく様々な木が植えられています。
さらに森の奥には広大な「農地」が広がっており、山全体が「フォレスト・ガーデン=森林農法の農地」として適切に人の手を加えながら維持管理されています。

森に踏み入って数分のところに、大きなココナッツの木があり、刃物が付いた長い棒でココナッツを木から落としていました。スリランカでは、一日1個は消費するほど家庭料理ではココナッツが欠かせないそうで、国民食のスリランカカレーにココナッツを入れると、コクがと栄養価がアップするそうです。
さらに、奥に進むと大きなアリ塚を見つけたりイノシシを捕まえる罠を仕掛けていたり、腐った木を手入れしたりと毎日生産者の方は、山を歩きながら植わっている作物と森全体を把握し管理しているのです。

さらに30分ほど歩くと山の頂上に到着。見渡す限りの美しい山々です。
頂上にも大きなカシューの木があり、たくさん蕾を付けていました。ノヴァが販売しているカシューナッツは、このような森林農法でで栽培されお客様の元へと届いています。
SLI LANKA | REPORT 07
2014.06.27

生産者さんの素顔

山の農地を下りご自宅にお邪魔しました。ご夫婦は、20年ほど前にこの土地に移り住み、見渡す限りのジャングルだった土地を、必要に応じて木を一本一本抜き、開拓しながら作物を植えて行ったそうです。きっと想像を絶する苦労があったのではないか?とご夫婦に質問をしてみると、落ち着いた印象で「でも、これが私たちの仕事だし、すべてが人生の一部分として受け止めています。」と答えていただけました。常に優しい眼差しと笑顔を絶やすことないご夫婦でした。

また、親子そろってアーティストの面もお持ちだそうで、お父さんのほうは、木彫りで様々なものを作るのが趣味で、椅子、胸像、猟銃、動物などお宅にさまざまなアートが飾れていました。壁一面には、金属板を打ち出して作った18歳の息子さんのアート作品があります。お父さんの才能を受け継いだのか環境がそうさせたのか素晴らしい作品でした。

一口にフォレストガーデンと言っても、その栽培スケールや方法は多岐に渡ります。今回訪問した生産者さんは、農地も広大で野趣にあふれていたり、もう少し小規模にやっている他の生産者さんは、農地にさまざまな作物を美しく混植し、まさしく美しいガーデンのようでした。
いずれの場合も、自然の植生を生かした農地のデザインと、フォレストガーデンの生産者さんたちが「大地に足がついた」存在であることが森林農法をやる上での共通点です。

現地を訪れて農業のやり方を目の当たりにすると、なにか特別なことのように感じてしまうのですが、生産者さんたちにとっては、それが普段の生活であり粛々と行われている営みなのだと気づかされます。裸足で、時には泥まみれになって森や植物と向き合う。そして、収入の向上・安定を目指しながら、あとは安心して子供たちに引き継がれていくのだと思います。

最後にインタビューした生産者さんの言葉がとても印象的でした。
「我々が死ぬときは、何も天国に持っていけないんだよ。」
必要以上の欲を出さず、でも精一杯仕事をして、次の世代に渡す。人生の営みが自然の循環の一つであることを感じさせてくれた言葉でした。

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現地で活躍する⽣産者