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LOCAL REPORT

現地で活躍する生産者

[トルコ編]
TURKEY | REPORT 01
2012.03.19

アプリコットの生産地マラティア訪問

トルコは地域毎の気候の多様性に富んだ国です。マラティア市街の中心には、巨大なアプリコットのモニュメントが立っていたり、毎年アプリコットフェスティバルが開催されるほど、世界的にも有名なアプリコットの産地でもあります。美しい風景とその土地で働く生産者さん達の優しい笑顔に魅了された訪問でした。

市街地から車で約40分ほどで、一人目のアプリコット生産者の畑があります。収穫目前のアプリコットの木が沢山に実っていました。
有機の畑は土がふかふかで、木と木の間隔も広く取ってあります。
さらに車で1時間半ほど、二人目のアプリコット生産者の畑があります。笑顔が素敵なメフメッドさんご夫妻です。
トラクターに乗って緩やかな坂道を登りながらアプリコット畑まで行きます。
アプリコットの木に結んである布は、薬剤は使わない害虫防除の効果的な方法だそうです。
こちらの畑で使われている堆肥は、手に取ると軽く、完熟しているので匂いはありません。さわやかな気候と自然に近い豊かな土壌でのびのびと育っています。
TURKEY | REPORT 02
2013.02.25

イズミールにあるISIK本社工場を訪問

イズミールの町にあるトルコの伝統的な民家をモチーフにしたISIK本社工場です。約4000人の従業員の方が働いています。
訪問当日は、ノヴァ向けのイチジクの選別が行われており、管理が行き届いた衛生的な製造現場を直接視察することができました。産地で天日干しされたイチジクやアプリコットは、この工場で洗浄し乾燥され、人の手で念入りに選別・チェックされた後、さらに機械による異物チェック等を受けます。

品質の向上に向けて、品質管理担当者がとことん話し合い、産地との信頼関係をお互いに大切にしています。
選別されたノヴァ用のイチジク。見落としが無いように作業工程と品質チェック用の札がかけられています。
製品の選別は、衛生的な環境下で丁寧に選別作業やチェックが行われています。
ノヴァ、品質管理部、選別作業現場がそれぞれ話し合い確認しながら、より高品質を目指して取り組んでいます。
ノヴァ用に箱詰めされた製品が倉庫に詰まれ、日本への出荷を待っています。
SIKの皆さんと。真ん中は社長のメフメッドアリさん。もの静かに語る言葉に優しさと信念が伺える方です。
TURKEY | REPORT 03
2013.03.19

ハッピービレッジ
いちじく栽培地のベキラ村

山あいに佇むいちじくの村。1000人が仲良く暮らす「ハッピービレッジ」ことベキラ村です。
村の周りにはいちじく畑が広がり、住民のほとんどがいちじく生産で生計をたてています。まさにいちじくと共に生きる村なのです。

村に入ると、所狭しと家が並びコンパクトでかわいらしい印象です。入り組んだ坂道に、親戚同士で近所に住んでいる人が多いそうです。
世代の違う男性の方が笑顔で窓から顔を出している素敵な光景。村で出会った皆さんはいつも笑顔が絶えず優しく迎えてくれます。
村の中にある学校の子供たち。見学で訪れた時に歓声を上げながら元気に駆け寄ってきました。
村で出会ったこの左の男性も有機いちじく生産者の方で、スタッフのエドガンさん達と親しそうにお喋りをされていました。
ベキラ村から車で5分ほどのところにあるいちじく専用倉庫。収穫したいちじくは、各生産者によってここに運び込まれ、一時的に保管されます。
左はISIKのアジア地区マーケット担当のスタッフのエドガンさん。ノヴァの窓口となり、その迅速かつ真摯な仕事ぶりは定評がある方です。右は、生産者のアクラムさん。いちじく倉庫の管理も担当しています。
農業専門家のメフメッドさん。生産者のもとを頻繁に訪れ、農業指導や相談に乗っています。「イチジクコバチ」の助けを借りて行われるいちじくの神秘的な受粉のしくみについて、熱心に説明してくれた。
村のいちじく生産グループの一つを訪問しました。生産者の満足度も高く、有機栽培の取り組みについてお話ししていただきました。
生産者グループのみなさんと集合写真。取引先のスタッフ、生産者の方、など、みなさんフレンドリーな方達でした。
TURKEY | REPORT 04
2014.10.15

オーガニックで自然環境を守り、
地域をハッピーに、生産者を育てる取り組み

オーガニックのドライフルーツ・ナッツの生産と流通において、トルコ最大の企業であるISIK(イシック)は、ノヴァとは長年の取引があり、ノヴァ自慢のドライいちじく、アプリコット、サルタナレーズン、ヘーゼルナッツなど、高品質の商品を取り扱わせていただいています。また、商品を通じて、ISIKのノヴァの理念やビジネスの姿勢など、様々な取組みから多くのことを学んできました。

そこで、ISIKの大きな取組みの一つである「ハッピー・ビレッジ・プロジェクト」をご紹介します。
また、ノヴァの商品「ドライいちじく」の生産地で、ハッピー・ビレッジ・プロジェクトの代表的な村の一つ「ベキラ村」の様子もご紹介いたします。

Happy Village Project(ハッピー・ビレッジ・プロジェクト)

(1)課題を見つけ出す
ISIKの目標の一つ、それは、「環境保全型の有機栽培に関わる人口と農地を拡大して行きながら事業の拡大をしていくことで、地域全体、トルコ全体を幸福にする」ということ。
「何をすればいいか。それを決めるためにはまず課題を明確にしなければなりませんでした。プロジェクトの枠組みを作るために関係者が何度も話し合いを重ねました。」と、ISIKのアジア地区マーケット担当のエドガンさんは語っていただきました。
 
まず、トルコの農地の特徴は、次世代に相続されるに従って分割された結果、一人当たりが所有する農地面積が小さくヨーロッパの半分しかないので、個人個人に焦点を当てるのではなく、できるだけ多くの人が有機農業に取り組めるようにすることが大切だと大切だと考えました。 また、農業者に正しい農法の知識やトレーニングの機会がないことが一番の問題でした。
また、これらのことを推進していくには資金が必要でしたが、当時は州からの資金援助プログラムも存在しなかったそうです。

(2)包括的に「ハッピー」を目指す方法
問題点を抽出した後は、それに対する解決策を考えて行きました。オーガニックを広めるためには、第一に、生産者に正しい知識と農法を習得してもらうことが大切です。そのためにISIKでは、各地の村々で生産者を集め、研修会を実施しています。特徴的なのは、生産者だけでなく、その家族(子供たちも)も参加してもらうようにしました。家族を含んだ、より多くの人の理解と協力を得ながら全体で進めて行くことが「ハッピー・ヴィレッジ・プロジェクト」のコンセプトなのです。
こうして、ハッピービレッジとして新規に農村をノミネートしていき、現地に何度も足を運んで生産者との関係を作りながら、プロジェクトを成功に導いていきます。

(3)研修、専門家の指導、そして地域支援も
ISIKは生産者の研修プログラムを非常に重視しています。各分野の専門家を講師に、環境負荷の少ない有機農法の基本である、堆肥の作り方や施し方、緑肥(栄養のある草を生やして農地に鋤きこむ方法)、有機栽培に使用できる生物農薬の使い方のほか、周囲の慣行農場からの化学農薬汚染を防止する方策、収穫後のフルーツの乾燥技術、衛生管理など幅広い知識と技術を身につけてもらっています。もちろん、プログラムには果樹園でのデモンストレーションも組み込まれています。
そして特徴的なのが、これらのプログラムは、オーガニックに興味がある生産者に広く開かれ、誰でも参加できる、ということです。 また、年間を通じ、ISIKの農業専門家によるコンサルティングも受けられるので、生産者は安心して有機農業を続けられます。こういった研修プログラムは、品質の向上に大きく貢献しています。
 
ノヴァの生産地訪問に、アジア地区マーケット担当のエドガンさんと一緒にずっと同行していただいた農業専門家のメフメッドさんは、ハッピービレッジの指導の多くを担当しており、トルコ中を飛び回っています。いちじく栽培や品質のことを私たちに説明してくれる姿はとても真剣ですが、皆さんとの交流の場になると、気さくな冗談や笑顔が飛び出します。「彼は本当によくやってくれて感謝しているよ。」と、生産者の方たちの信頼も非常に厚い方です。
また、企業としてのISIKは、農業だけでなく、地域の学校やスポーツクラブのイベントにスポンサーとして参加するなど、地域のニーズに目を向けながら社会貢献活動も実施しているのだそうです。

(4)生産者から全量を買い上げる。
もう一つ、ISIKが実行している重要なことは、農産物のコンディション(良し悪し)に関わらず、生産者から全量を買い上げるということです。
農産物は、当然ながらその年の天候などの条件により、豊作の時もあれば不作の時もあります。ましてや、基本的に化学農薬や化学肥料を使わない有機栽培の場合は、自然の条件の影響をより大きく受けざるを得ず、面積当たりの収穫量も少なくなります。「全量をいつも買い上げてもらえることにより、経済面と精神的安定につながり、お互いの信頼関係にもつながるのです。」とエドガンさん。
「今は全量を買い上げてもらえるから、本当にいいよ。ISIKと仕事をする以前は、買ってもらえなかったり、安く買い叩かれたりして、生活が大変だった」と、いちじくの村「ベキラ村」の生産者の方たちも口々におっしゃっていました。
さらにエドガンさんは、「農業専門家を中心とするISIKのスタッフと生産者は、単に作る・買うの関係ではないのです。ましてや、作ったものを「買い上げてあげる」という関係でもない。協力し合う協働者であり、理解者なのです。だから、常に対等な関係を保つことを目指しているのです。」とおっしゃっていました。
 
このような継続的な取り組みの結果、有機農業に従事する農業者数と耕作面積は過去の数倍に増加しています。いいちじくだけでなく、サルタナ、アプリコット、ヘーゼルナッツの生産にもハッピー・ビレッジ・プロジェクトが取り入れられています。1991年以降、現在ではトルコ国内88の村の1000人以上の農業者と合計4000ヘクタール(東京ドーム800個分)の土地がハッピービレッジプロジェクトに関わっているそうです。
ISIK本社でお会いした社長のモハメダリさんや、他の若いスタッフの方たちも、実に誠実で気持ちよい方たち。社内にもそのまま、気持ちの良い空気が流れています。
 
最後に「オーガニックのドライフルーツやナッツを扱う会社として、より環境に優しい製品を効率的に提供できるように努力して行きたいです。生産者、スタッフ、お客様とともに、尊敬の心をもって行動しながら、幸福な社会を追求していきたいと考えています。」とエドガンさんは語ってくれました。
この言葉が、偽りのないものであることが、素直に私たちにも伝わってきました。

TURKEY | REPORT 05
2016.09.30

生産者を支えるビジネスモデル
イシック(ISIK)社のいま

イシック社は、有機干しいちじく、有機干しあんずなど、ノヴァの主力商品を長年取引している生産者で、ノヴァとのつきあいは16年になります。イシック社は最新鋭の施設と設備が整った工場を持ち、世界有数の有機ドライフルーツ会社に成長しつつある大きな企業です。数千人規模の従業員が働く広く清潔な工場では、以前と変わらず品質管理に対しての意識の高さが感じられました。「有機」であることを理由にせず、選別技術や異物除去レベルの向上を常に志すその姿勢は、異物除去の設備に毎年、2億円を投資するということからもうなづけます。

イシック社のあるイズミールはいちじくの一大生産地。イシック社の周辺には、訪れるたびにいちじくの生産者が増えていると感じます。それはイシック社の、”生産者を支える”というノヴァの理念に関係があるようです。
イシック社は、作柄の良し悪しにかかわらず、農産物を正規の価格で買い上げるべきという企業方針があります。不作の分を豊作の年に取り戻すのはもちろんですが、形の悪いものや甘みの少ない実にも需要(取引先)を確保しており、ビジネスとして成立させるための優れたノウハウを持っています。イシック社の”生産者を支える”意識は「ハッピービレッジプロジェクト」という取り組みに集約され、地域全体で生産者を経済的にも精神的にも支え合う仕組み作りが長きにわたって行われています。それは結果的に、地域に誠実な生産者を増やすという好循環に結びついているのです。

いちじくの恵みとともに 次世代へ引き継がれるオーガニック

どんな農産物のどんな生産者にも、世代交代はつきものです。イシック社も例外ではなく、こちらでは近年、若い力が主軸となり、会社を盛り上げているようです。
 
イシック社を支えるスタッフの一人、ジャンさんは弊社代表ブッシュと同世代で、16年来の友人でもあります。ジャンさんとブッシュにはかつて、スワットさんという恩師のような先輩がいました。スワットさんは先見の明を持ち、ビジネスを誠実に行うことの大切さを教えてくれた人。またその人柄から、スタッフたちにも大変慕われていた人でした。そのスワットさんが数年前に亡くなった時、ジャンさんとブッシュ、そして皆が大きなショックを受けました。
しかしそこで、「今度は自分たちが」スワットさんのようにやってみよう、スワットさんのようになろう、と決意を新たにし、現在、スワットさんから学んだ経験と若い世代ならではの新しい視点で良質のオーガニックドライフルーツ、ナッツづくりに取り組んでいます。イシック社の工場や地域の生産者との関係など、その充実した様子から、彼のポリシーはしっかりとイシック社のスタッフたちに引き継がれていると感じました。
 
自然の恵みと企業と地域の繋がり、そして人。受け継がれる想い。イシックの優れたビジネスモデルを再認識し、これからもともに歩んでいくことが楽しみです。

有機いちじく畑は急斜面のため収穫作業はロバの力が助けになります。
山あいに建つペキラ村では多くの生産者が暮らしています。
いちじくの一大生産地であるイズミールの美しい有機いちじくは、糖度が高く完熟すると中から黄金色の蜜が出てきます。
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現地で活躍する⽣産者